【できるSDGs書籍:後編/金沢工業大学SDGs推進センター所長 平本氏 インタビュー】みんなが幸せになれる社会を目指し取り組むことで、人生の戦略をも考えられるように

2022年11月18日(金)、株式会社ストリートスマートは、株式会社LODU(ロデュ)及びできるシリーズ編集部との共著 『できる Google for Education SDGs授業実践』を、株式会社インプレスより発行いたしました。

前編では、書籍の制作に至った背景と本書の特徴、著者の想いを紹介させていただきました。

後編では、共同プロジェクトのメンバーであり、SDGsイノベーション教育を専門に研究されている金沢工業大学SDGs推進センター所長 平本督太郎氏のインタビューをご紹介します。

SDGsを教育現場で伝える意義や日本のSDGs教育の課題、子どもたちにSDGsを伝えていく先生が取り組むべきことなどについてお話いただきました。ぜひ後編もご覧ください。

ーSDGsを教育現場で伝える意義とSDGs教育に対する平本氏の想いをお聞かせください。

平本氏:一番にお伝えしたいことは「SDGsを楽しみながら学んでほしい」ということです。SDGsに興味関心がないのに、学校の中の授業として半ば強制的に取り組んでしまうとつまらないものになりがちです。今回書籍でご紹介しているゲーミフィケーション教材に触れることで、もともと関心がなかった児童生徒が、興味を持てるようになるケースは多いと思います。

 

SDGsはみんなが幸せになれる社会を目指して取り組むものです。

幸せになるために自分たちで考え、選択し、社会を変えよう、世界をつくろうと、若いときから取り組むことによって、人生を歩む戦略を考えることができます。

人生は、自分で選択して挑戦することで、社会的には失敗でも、有意義な経験・学習と捉えることができます。何をやっても前に進んでいける状態、すなわち自分を幸せな状態に置く方法を、SDGsを通して学んでほしいと思います。

ー日本の学校教育においてSDGs教育を推進するうえでの課題は何でしょうか?

平本氏:大きく3つの課題があると考えています。

1つ目は、日本は「SDGs=環境教育」という意識が強いことです。

これまで学校では、環境活動を積極的に行ってきた背景があり、環境教育に偏ってしまう土台があります。

本来、SDGsは経済・社会・環境の好循環を目指すものです。環境問題だけではなく、設定されている17のゴール全てに目を向けて、児童生徒と一緒に新しい社会を築いていくディスカッションや取り組みをしてほしいと思います。

 

 

2つ目は、先生は「SDGsを教える」という意識が強い、ということです。

SDGsは未来を想像して取り組む活動です。未来はわからないことが多いので、正解を教えなければいけない、という姿勢には限界があります。先生も児童生徒と一緒に未来を探究するのだという視点に立ち、わからないことを調べ、考えていく姿勢が大切です。

先生が「正解」を知り知識を持っている場合は、授業で「教える」ことは有効ですが、未来はわからないものなので、正解そのものではなく、正解に辿り着くための学び方を伝える方がより学習効果が高くなります。学び方が分かれば、児童生徒は将来前提条件が大きく変わってしまっても学びなおして、変化に対応することができるようになるからです。

 

3つ目は、SDGsを考える際に「課題解決に偏っている」ということです。

総合の時間なども、課題を解決することが目的となっているケースが多く見られます。課題解決はテストで高得点をとるのと一緒で、解けそうな課題の存在ありきのスタートとなってしまいます。

実際の社会でも課題解決が目的となっているケースは多くあります。例えば、過疎化地域に行って課題解決のためのプロジェクトを行う、といった行動をする若者がいますが、地域住民は課題だと思っていないことから、認識のずれや衝突が生じることが多くあります。若者が過疎化地域で生活し、近隣の人たちと一緒にこんな暮らし方がしたいと理想を描いたときに足りないものが見えてきて初めて、それが課題になるのです。

 

SDGs教育は、児童生徒が何に取り組みたいのか、どういう姿を目指したいのかといったゴールをそれぞれで考え、最初に決めることが重要です。ゴールと現状のギャップによって、初めて何が課題なのかがわかってくるのです。

先生が教える立場でいると、課題がないと教えにくく感じてしまいます。立場を変え、児童生徒と同じ立場で考えることで、SDGsへの向き合い方が変わってくると思います。未来は一緒につくるものです。

ー学校の先生は、SDGs教育にどのように取り組んでいくべきだとお考えでしょうか?

平本氏:従来の人口増加社会における大量生産大量消費を是とする「教育」や「授業」という枠組みに囚われることなく、人口減少社会における新たな教育として児童生徒一人一人の好奇心・探究心を重視してほしいです。

ゲーミフィケーション教材は授業の中でゲームをやることになるので、先生によっては使いたくないと思われる方もいるかもしれません。しかし、今、世界では学び方をどのようにアップデートしていくかが注目されています。今までの教育手法とは異なるところに、人の能力を引き上げるスイッチが隠れていると考えられています。

先生もそこに注目していただいて、SDGs×ICTや、ゲーム×教育といった掛け算をきっかけに、ファッション、スポーツ、音楽、食など、児童生徒それぞれが本当に面白いと関心を持つことを掛け算しながら学ぶことができる教育を目指してほしいと思います。

 

▲SDGsゲーミフィケーション教材「THE SDGs アクションカードゲーム X(クロス)」

ー本書の果たす役割・意義についてお聞かせください。

平本氏:本書の役割は2点あります。

1点目は、SDGs授業を行うために、何から取り組むべきかわからないという先生に授業のやり方をお伝えする役割です。

ICTやデジタル人材育成、プログラミング教育、SDGs教育など、先生にとって新しく取り組むべき授業テーマが増え、授業実践が大きな課題となっています。授業で何をすればいいのかわからない、と悩んでおられる先生に本書が役立ちます。

 

2点目は、デジタル人材の育成と情報教育の進め方を考えるための手引きとなる役割です。

本来、ICTとSDGsを切り離して教育することは難しいのですが、これまで一緒に扱っている教材はありませんでした。

ICTは手法であり、目的がないと上手く活用できません。また、SDGsは膨大な情報を処理する必要があり、人間だけでは対応できないため、ICTを活用することで意思決定・処理ができるようになります。つまりICTとSDGs、それぞれの問題は一緒に取り組むことで解決される利点があり、ICT×SDGsにフォーカスした本書は画期的だといえます。

さらに、今回紹介されているゲーミフィケーション教材を使うことで、もともとSDGsに関心がなかった子どもたちでも興味・関心を持って取り組むことができます。教育現場で本書を活用し、SDGsをつまらない勉強としてではなく、楽しんで学んでほしいと思います。

 

平本 督太郎 (ひらもと とくたろう) 氏

金沢工業大学SDGs推進センター所長、経営情報学科准教授、メディアデザイン博士(慶応義塾大学)。慶應義塾大学SFC研究所xSDG・ラボ アドバイザー。野村総合研究所(NRI) にて経営コンサルタントとして活躍。日本政府・国連機関等と共に、MDGs/気候変動対策に貢献するビジネスの推進政策の立案、民間企業に向けた事業創造支援を行い、社長賞を受賞。2016年度金沢工業大学着任後、現場統括として第1回ジャパンSDGsアワード(内閣官房長官賞)受賞、顧問として会宝産業の第2回ジャパンSDGsアワード(外務大臣賞)受賞に大きく貢献する。Beyond SDGsイノベーション学会会長、一般社団法人BoP Global Network Japan代表理事、一般社団法人Beyond SDGs Japan理事、株式会社LODU会長、文部科学省ユネスコ未来協創プラットフォー ムコアメンバー、NHK中部地方放送番組審議会委員、白山市SDGs推進本部アドバイザリーボード座長、沖縄県SDGsアドバイザリーボード会議委員に加え、経済産業省/JICA/JETRO等の日本政府のSDGs関連の各種委員を歴任。TV・ラジオ等への出演、出版・論文も多数。

大人気書籍できるシリーズについて

株式会社インプレス社による刊行開始から25周年を迎え、シリーズ累計7,500万部を突破する大人気シリーズ。ストリートスマートとは、2019年10月3日に「できる Google for Education クラウド学習ツール実践ガイド」、2020年12月17日に「できる Google for Education コンプリートガイド 導入・運用・実践編 増補改訂2版」を共著にて発行しております。

 

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🔻書籍情報

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