子どもたちの情報活用能力を着実に育む『Google for Education™ 活用表』の共同研究を進めています!

企業や教育機関のDXを支援する株式会社ストリートスマート(以下:ストリートスマート)が公開した、全国の小中学校の子どもたちの情報活用能力育成を支援する『Google for Education 活用表』。学校現場の実態に合わせ、より有意義に活用していただけるものにするべく、東北大学大学院 情報科学研究科 教授、東京学芸大学 学長特別補佐/教授で、中央教育審議会などで数多くの委員を務める堀田龍也先生との共同研究プロジェクトがスタートしました。

 

本研究について、8月に開催したプロジェクト会議の様子をご紹介いたします。

『Google for Education 活用表』とは

『Google for Education 活用表』は、育成すべき情報活用能力を具体的な学習活動と関連づけて段階的に体系化した、先生のための具体的な指標です。
「情報活用能力」を、学習活動のあらゆる場面で育むことが重要視されている中、ストリートスマートがICT支援を行う学校現場の先生からは「授業の中で情報活用能力をどう育めばよいのか」「何年生でどれくらいICTを活用できればよいか」「ICTの活用をどのようにステップアップさせていくべきか」というお悩みが多く寄せられていました。そうした声を受け、ストリートスマートでは、全国各地の先生方に向けて Google for Education を活用した情報活用能力の育成指標として『Google for Education 活用表』を作成・公開いたしました。

 

本活用表では、キーボード入力やアプリケーションの操作といった①基本的な操作、②情報モラル・情報セキュリティ、情報を整理・分析・発信するといった③情報活用、④プログラミングの4つに情報活用能力を大別し、それらを育成するために Google for Education のどのアプリケーションを、どのように活用するかを具体的に掲載しています。

 

▼『Google for Education 活用表』のダウンロードはこちら
『Google for Education 活用表』をダウンロードする

※ 本活用表には、ご自身の自治体や学校では使用していない、
  もしくは使用が制限されているアプリケーションやツールが記載されている場合があります。
  ご所属の自治体や学校の実態に応じて柔軟にご活用ください。
※ 転載や販売など、学校およびその他の教育機関における教育目的以外で
  本活用表を使用することはお控えください。

 

活用表アップデートのヒントが散りばめられた
プロジェクト会議

堀田先生をはじめ、信州大学 教育学部 准教授 佐藤 和紀先生、現役の小学校の先生方や研究室の皆様12名と、ストリートスマートから4名が出席し、プロジェクト会議を開催いたしました。

 

『Google for Education 活用表』を使った実践の経過を「学級を対象とした研究」と「学校を対象とした研究」の2つの視点からご報告いただき、意見交流を実施しました。

 

「学級を対象とした研究」では、先生方それぞれの学級での実践をご報告いただきました。
活用表の項目を「日々の活用で自然に身に付くこと」「子ども同士で教え合えること」「授業等できちんと指導したいこと」「どの授業でもじわじわ育てていきたいこと」の4つのパターンに分けて取り組んでくださった先生。「A(人に教えられる)」「B(1人でできる)」「C(1人でできない)」と明確な評価基準を設定し、感覚値ではなく子どもも先生も客観的に判断できるよう工夫してくださった先生。普段他教科でも活用しているシートを応用し、子どもたちの教え合いを自然に促すような仕組みを紹介してくださった先生。
どの先生方も「活用表を使うことで子どもたちにこのような姿になってほしい」というイメージのもと、学級の実態に合わせて+αの工夫を取り入れながら実践してくださいました。

 

「学校を対象とした研究」では、子どもたちの情報活用能力を発達段階に応じて継続的に育成するためには学校全体で取り組むことが重要である、との視点から実践のご報告をいただきました。
「各学年のICT担当→各学年の先生へ」と段階的に伝え、定期的にチェックする機会を設けたり、デジタルにとらわれず紙で配布し、まずは活用表を繰り返し見る機会を意図的に創出したりと、学校全体で取り組む意識付けを進めてくださいました。
また、先生だけではなく学習支援員の方にも活用表を配布し、活用についての校内研修を実施してくださった先生も。子どもたちの学びに関わる全ての大人が「答え」を教えるのではなく「答えにたどり着くまでの方法」をサポートする手段として表を活用できないか、という新たな視点を与えていただきました。堀田先生からも「教習所と同じで、先生がいなくても自走できるようにすることが目標」とのお話があり、目指すべき姿がより明確になりました。

 

さらに、佐藤先生の研究室に所属されている学生の皆様からも、子どもたちの意識について分析した結果をご報告いただきました。操作スキルに関しては「できる」と認識しているが、情報収集や整理・分析等については自信のない子どもたちが多い傾向にあることを共有いただき、「この部分の力をどのように伸ばしていくのか」というところも1つの大きなポイントとなることが示唆されました。

 

それぞれご所属の学校や学級の実態に合わせてご活用いただき、実際に使ってみたからこそ分かる子どもたちの反応や、「子どもたちが理解できる言葉や表現に」「先生自身も苦手意識をもっている場合があるので、操作方法の説明動画があるとよいのでは」「チェックの判断基準を明確にするために、ミニテストのようなものがあるとよさそう」など、活用表をより意義あるものとするための多くのヒントやアイデアを共有していただきました

 

中でも、先生方が子どもたちの自主性を一番に考えながら、活用表を取り入れていたことが大きな発見であり学びです。実際に「子どもたちから『自分たちでチェックしたい』と伝えてきたんですよ!」と教えてくださった先生もいらっしゃいました。そんな子どもたちの気持ちを大切に、活用表を Google スプレッドシート™ の形式に変更して子どもたちに託したり、教え合いができるような要素を組み込んだり、先生方の工夫から活用表改善のための多くの発見がありました。現在公開している活用表は、情報活用能力を育む「先生のための」指標ではありますが、実際に身に付けるのは子どもたち。日常の学習活動、学校生活、そして急速に情報化が進展する社会の中で、子どもたちが主体的に情報を活用できる能力を育めるよう、さらなる活用表アップデートへの道筋が見えてきました。

 

〜子どもが自走できる活用表へ〜

 

先生方からのご報告を受け、堀田先生、佐藤先生より本研究をさらに深めていくための重要な提言をいただきました。
佐藤先生からは、「表を活用することが目標か、表を作らなくていいようになることが目標か」という大きな命題が。活用表の最終的なゴールは「子どもたちが情報活用能力を身に付けること」です。ICTの活用と同様に、活用表を使うこと自体が目的となるのではなく、手段として、先生や子どもたちの道標となる存在にしていく必要があると感じています。
また、参加された先生方と我々ストリートスマートに向けて「スキル育成に必要なこと、大事なことは?」との問いかけが。さすが日々研究をされている先生方は、すぐに答えにたどり着いていました。ずばり「繰り返し」です。ストリートスマートとしても「学習活動や学校生活の中で『繰り返し』経験を積み重ね、『変化のある繰り返し』『継続』を経て自然と知識や技能が身に付く」そんな子どもたちの姿を具体的にイメージしながら、活用表のあり方について改めて話し合いを進めています。

 

堀田先生からは、活用表アップデートのキーポイントとして、操作スキルと情報活用を分けて考えることの必要性をはじめ「学級ごとにオリジナルの表にカスタマイズできないか」「子どもが自分でチェックして努力する表にできないか」「『子ども認定』のようなものができると良いのではないか」など具体的なアドバイスを多くいただきました。そうしたアドバイスを通して、改めて子どもを主語にして考えることの重要性に気付かせていただきました
また今回のプロジェクトを通して「先生」と「民間企業」が共同で研究を行うことの意義を示唆していただき、子どもたちが実際に活用している場面の見学や、先生方が実施されている校内研修とストリートスマートの研修の相互体験など、先生と民間企業をつなぐさらなるご提案をいただきました。本プロジェクトにおいても、ストリートスマートの当初の想定を大きく超えた先生方の実践から多くの刺激と学びをいただきました。日々子どもたちや研究に真摯に向き合われている先生方の「現場」により一層向き合い、相互に学び合いながら、今後もICT活用の推進支援に励んでまいります。

 

活用表をブラッシュアップ中!

プロジェクト会議で先生方から熱量の高いご報告をいただき、今度は我々ストリートスマートの番です!全国の先生方にとってより有益で、活用していただきやすいもの、そして何より子どもたちが楽しみながら情報活用能力を高めていけるものを目指して「活用表バージョン2」の制作に目下取り組んでいます
今後も、堀田先生をはじめ、先生方と継続して研究を進めていく予定です。
バージョンアップした活用表を皆様にお届けいたしますので、どうぞご期待ください!

 

 

※ Google for Education、Google スプレッドシートは、Google LLC の商標です。

 

ICT教育推進やGIGAスクール構想に関するご相談はストリートスマートへ

株式会社ストリートスマートは、Education 分野と Work Transformation (働き方の変革)分野の Specialization 認定を持つ Google for Education Specialization パートナーです。

自治体や教育現場の皆さまが効率的かつ負担なくGIGAスクール構想やICT教育を推進できるよう、状況やご要望に合わせた最適な支援をご提供するGIGAスクール運営支援センターや学校常駐型のICT支援員各種研修、先生のための総合プラットフォーム「master study」など、ICTの導入から活用推進まで、さまざまなアプローチで皆さまに寄り添った支援を行っております。

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