校務の“当たり前”をクラウドで変える。大網白里市小中学校が挑む「校務DX実証プロジェクト」
株式会社ストリートスマートは、2025年6月に出版された書籍『忙しすぎる先生のための 校務×クラウド』を起点に、大網白里市立小中学校に対し、ICT支援員が伴走する「校務DX実証プロジェクト」を実施しました。
▼書籍『忙しすぎる先生のための 校務×クラウド』の詳細はこちら
https://master-education.jp/koumu_cloud/
本記事では、各校で実践された事例と、実際に取り組まれた先生方の生の声をお届けします。
膨大な手計算と転記をゼロにする「記録・集計の自動化」
教職員の負担が特に大きい、数値の計算や転記が伴う業務を Google スプレッドシート™ でクラウド化。ヒューマンエラーの防止と大幅な時短を実現しました。
事例①:服務整理簿のクラウド化(大網小学校)
多くの学校で使われている紙媒体の服務整理簿。大網小学校様では「紛失防止のために全職員分をファイルにまとめ、管理職へ提出・保管する運用を行っていたため、「他の職員が記入や確認を行いたい場合に即時利用できない」「回覧や受け渡しに時間を要する」など、運用に課題を感じていました。
また、勤務時間が「1日7時間45分」と端数を含む設定であることから、休暇の累計時間の算出が非常に煩雑。職員本人だけでなく、確認を行う事務職員にとっても大きな負担となっていました。
これらの課題を解決すべく、休暇種別や取得時間を選択するだけで残日数が自動算出される仕組みを構築。クラウド上で一連の作業や確認が完了するため、押印作業も撤廃されました。
【ポイント】
- 自動計算機能:「日数確認シート」に基づき、休暇種別(年次休暇、特別休暇、療養休暇など)に応じた残日数が自動的に計算されます。

- 正確な時間管理:取得月日と時間を入力するだけで、累計日分や残り時間が正確に算出されるため、手計算によるミスを根本から排除。

※ 画像内の氏名やデータは、全てサンプルです。
事例②:週案作成の効率化(大網小学校)
毎週行う週案の作成には、複数の職員が1つの授業に入る場合の指導内容の調整や整合性の確認、管理職による週ごとの押印作業など、アナログな工程が多く残っていました。複数教員の週案を同時に確認するために、机上にファイルが多く並ぶことも…。
そこで、各教員がスプレッドシートに入力すると、管理職が「集約シート」から全教員分の週案を一括で確認できるようになる仕組みを構築。加えて、時数の達成状況も自動で算出されることで、週案作成にかかる一連の作業効率の劇的な向上を実現しました。
【ポイント】
- 時数管理の自動化:先生が個別のファイルに予定を入力すると、教科ごとの実施時数や達成状況がリアルタイムで自動表示されます。

※ 画像内の氏名やデータは、全てサンプルです。
- 教務主任による一括確認: 管理職は専用の「集約シート」から、全先生の週案や学年別の実施状況を一覧で確認でき、個別のファイルを開く手間がなくなりました 。

※ 画像内の氏名やデータは、全てサンプルです。
さらに、「担任と専科の先生が誤って同じ時間に授業を入れてしまう」などの不整合を感知する仕組みなど、先生方の「もっとこうなったらいいな」に応えるアップデートを引き続き進めています。
事例③:集金まとめシート(大網中学校)
毎月の集金額が条件によって異なるため、条件に応じた集金額の算出と、引き落とし未納時の記録漏れ防止がストレスの種となっていました。
これを解消するため、チェックボックスの選択状況に応じて生徒ごとの合計額を自動算出する「集金まとめシート」を作成。誰がいくら納入すべきかが一目で分かり、正確かつ迅速な集金業務が可能になりました。
【ポイント】
- 条件別自動集計:生徒ごとに該当する項目のチェックボックスを入れるだけで、個別の集金合計額が自動算出されます。

※ 画像内の氏名やデータは、全てサンプルです。
- 未納対応の可視化:引き落としができなかった場合もシート上で漏れなく記録・管理でき、迅速な対応をサポートします。

※ 画像内の氏名やデータは、全てサンプルです。
情報の属人化を防ぐ「一元管理と可視化」
「担当者しか知らない」「紙の束から探し出す」という状況を打破し、情報の透明性を高める事例にも取り組みました。
事例①:部活動 個票検索シート(白里中学校)
通知表や指導要録の作成時、先生方を悩ませていたのが「生徒の受賞記録の記載作業」です。各部活動からバラバラに届く報告データを名簿と照合・点検する作業は、多大な時間と集中力を要します。
そこで、生徒の3年間の活動実績を1つのファイルに集約。検索シートに生徒名を入力するだけで該当情報が瞬時に表示される仕組みを整えました。
【ポイント】
- 情報の集約管理:部活動名、受賞名、大会結果などを1つのスプレッドシートに蓄積。データの「散らばり」を防ぎます。

※ 画像内の氏名やデータは、全てサンプルです。
- 検索機能:「個票シート」に生徒名を入力するだけで、該当する生徒の記録がリストアップされるため、確認作業がスムーズになります。

※ 画像内の氏名やデータは、全てサンプルです。
事例②:運動会使用曲リストの視覚化(季美の森小学校)
運動会で使う楽曲リストは、これまでExcelで管理されていましたが、編集できる人が限られ、共有や復元が難しいことが悩みでした。
この属人化を解消するため、クラウド化と同時に「誰にとっても使いやすい」視覚的なリストへと刷新しました。
【ポイント】
- ビジュアルリスト:曲名や用途だけでなく、CDパッケージの画像をシート内に表示。放送室の棚から目的のCDを直感的に探し出せる工夫を施しました。
- 共同編集による情報更新:推奨場面やテンポなどの情報を複数の先生で同時に入力・更新でき、次年度以降も「生きた資料」として引き継ぐことが可能です。

※ 画像内の氏名やデータは、全てサンプルです。
◾️ 先生の声
今回のプロジェクトについて、各校の推進担当の先生方にインタビューをさせていただきました。
Q. プロジェクト前、どのような課題を感じていましたか?
◾️ 坂井 勇介 先生(白里中学校 教務主任):
教務主任として扱う情報が非常に多い中で、効率化のアドバイスをいただける機会が身近にないことに負担を感じていました。また、データ管理が担当者のみに閉じている状況も改善したいと考えていました。
◾️ 大竹 希優 先生(季美の森小学校 教諭・ ICT担当):
ICTが得意な教員が少なく、慣れ親しんだアナログな方法を続けていました。教員同士の会話の中で『楽になればいいな』という会話はあっても、『誰がどうやって?』という壁に当たってしまい、結局は動けず…という状態でした。
Q. 校務でのICT活用(クラウド活用)を進める上で、心理的・技術的なハードルはありましたか?
◾️ 篠原 孝司 先生(大網小学校 教頭):
これまで本校では、校務におけるクラウド活用はほとんど行われていなかったため、導入当初は心理的な不安がありましたし、従来の紙媒体や校内中心の運用に慣れている職員も多く、新しい方法に対して戸惑いが生じることも予想していました。
しかし、昨年度より学校に常駐して支援に入っていただいていたストリートスマートの社員の方への信頼は非常に大きく、これまでの支援実績から、技術的な面については安心して任せられるという認識は校内で共有されていましたね。
◾️ 坂井 勇介 先生(白里中学校 教務主任):
正直、ありましたね。『職員全員の意識の変化が求められる内容を、どのように伝えていくと先生方に負担感が少なく受け入れていただけるのだろうか…』と考えていました。
Q.ICT支援員のサポートはどのように役立ちましたか?
◾️ 篠原 孝司 先生(大網小学校 教頭):
専門的な関数設定などは、チャットで『この部分を自動計算にできないか』と相談し、訪問時に画面を一緒に見ながら細部を調整していきました。常に相談できる体制があるという安心感は非常に大きかったです。細かなレイアウトの改善や操作性の向上といった点まで丁寧に対応してもらえたことが、円滑な導入につながりました。
◾️ 大竹 希優 先生(季美の森小学校 教諭・ ICT担当):
イメージを伝えるだけで具現化してくれるスピード感に驚きました。また、私たちが使いやすいような工夫や、間違わないで済むように配慮した設計など、ただ要望に応えるだけではなく、最適化をしていただけたのが非常にありがたかったです。無理に進めず『できるところからやりましょう』と言ってくれたことで、ICTへの距離が近づきました。
Q.実際に取り組んでみて、校内にどのような変化がありましたか?
◾️ 篠原 孝司 先生(大網小学校 教頭):
服務管理簿の本格運用は来年度からですが、現在確認作業は月2時間、年間約24時間を要しています。自動計算や一覧での確認が可能になることで、「計算が合っているか」「記入漏れはないか」といった不安が軽減され、精神的なゆとりにつながっていくはずです。
また、ICTの活用が進むことで、校務に対する前向きな雰囲気が広がり、『できることから改善していこう』という意識の変化も生まれつつあります。
◾️ 大竹 希優 先生(季美の森小学校 教諭・ ICT担当):
一番の成果は『ICTは怖くないんだ!』と学校全体で気づけたことです。職員では思いつかなかったような解決策やアイデアを提案していただけるので、『分からないけど質問してみよう!』とハードルが下がったことが、何よりも大きな収穫でした。
◾️ 坂井 勇介 先生(白里中学校 教務主任):
これまでは、各部活で入力した結果から、学級と氏名の点検・抜粋をその都度実施して、通知表と照合していたのですが、この点検作業がかなり効率化されました。ミスの軽減も図られるようになり、とても助かっています。
クラウド化のその先。挑戦を次の一歩へ
本プロジェクトを通して、大網白里市の学校では「校務のクラウド化」という大きな一歩を踏み出しました。
大網小学校では、服務整理簿や週案のデジタル化により、事務作業の大幅削減と、心理的なゆとりを創出。また、大網中学校の集金業務、白里中学校の部活動記録、季美の森小学校の行事運営など、それぞれの学校が抱える固有の課題に対し、Google Workspace for Education のツールを活用した「現場目線の最適解」を構築してきました。
今回の挑戦は、単なる効率化の終着点ではありません。先生方はすでに、その先のステップを見据えています。
校務DXによって生み出された「心のゆとり」は、教材研究の深化や子どもたちとの対話の時間へと還元され、学校全体の教育力を高めていくはずです。
株式会社ストリートスマートは、これからも現場に寄り添うパートナーとして、先生が先生らしく輝ける学校現場の実現をサポートし続けてまいります。
※ Google スプレッドシートは、Google LLC の商標です。
ICT教育推進や校務DXに関するご相談はストリートスマートへ
株式会社ストリートスマートは、教育分野と働き方の変革分野の2つのスペシャライゼーション認定を持つ Google Cloud パートナー企業です。
自治体や教育現場の皆さまが効率的かつ負担なくICT教育を推進できるよう、学びのDXから先生方の働き方改革につながる校務DXまで、ご状況・ご要望に合わせた最適な支援をご提案いたします。ICT支援員、各種研修、先生のための総合プラットフォーム「master study」など、ICTの導入から活用推進まで、さまざまなアプローチで皆さまに寄り添った支援を行っております。
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