【徹底解説】新型コロナウイルスへの対策で休校に…注目が高まる「オンライン学習」の進め方

新型コロナウイルス感染症の対策として、学校を休校とする判断が各地でなされています。

休校に関して、保護者への負担増はもちろんのこと、学習の質担保に対しても心配の声が上がっています。そこで注目されているのが「オンライン学習」ですが、突然オンラインと言われても「実際に機能するのか?」「効果があるのか?」などイメージしづらいのではと思います。本記事では、オンライン学習に適したツールの具体的な機能を元に、実際に使用した際のイメージをお伝えします。

(今回は ICT 教育の中でも注目されている Google for Education を利用した場合の方法をご紹介しています)

 

1.まず整備すべきは、離れていても先生と生徒でコミュニケーションできる環境。

遠隔での学習を成功させる上で重要なのが「先生と生徒の双方向のコミュニケーション」です。分からない部分の質問やそれに対する回答、課題の配布やフィードバックなどのコミュニケーションがスムーズにいかない場合、学習の進捗を妨げ、集中力の低下を招きます。これらをスピーディに進めることこそが、ひとつのポイントだと言えます。

(Classroom というツールを例に取れば)先生から生徒へ向け課題を出すところから、その提出、採点、返却、管理など一連のサイクルを全てオンラインで実行することができます。

休校が決定した際、慌てて該当期間中の課題を作成・印刷し、プリントで配布するなどの対応を実施した学校もあるようですが、このツールがあれば休校期間中にもオンラインで課題を作成・配布することができます。

 

(オンラインで課題を配布している画面)

 

これによりプリントを印刷する手間が省けるほか、課題の提出状況といった生徒それぞれの学習履歴が一箇所に集約されるので、管理が楽になり、生徒個々に合わせたフォローを実施することができます。

また、先生から生徒への連絡以外に、生徒側に質問があるときに先生へ連絡し、オンラインで回答してもらうことも可能です。分からない部分があっても、学校の再開を待つ必要なく、先生からの回答があり次第疑問を解消することができ、学習スピードの向上に役立ちます。

 

(オンラインで生徒から質問を投稿している画面)

 

先生と生徒間だけでなく、生徒同士でコミュニケーションを取ることもできるため、グループ学習にも適しています。離れていても同時に課題を作成することができ、互いに質問したり、アイデアを出し議論をしながら、双方向型の学習を進めることができます。

 

(生徒同士でコミュニケーションを取っている画面)

 

Classroom には保護者の方も招待することができます。伝えたい内容があればメールを一括送信するなどの対応も可能です。休校中は保護者の方々も不安を抱えることがあるかもしれませんが、オンラインを活用しコミュニケーションを取ることで、それらを緩和させることができます。

 

2.オンラインで教材を作成し、生徒へ配布する

コミュニケーション環境が整備できたら、続けて教材を作成しましょう。文章だけでなく 画像やWeb ページへのリンクも挿入し、学習のための素材や情報を盛り込みます。ドキュメントというツールは、複数の人が同時に閲覧・書き込みできるので、教材の作成に適しています。

 

(「社会と性別」というテーマに関して、授業に使うための教材を作成している画面)

 

授業を進めながら追加で書き込みもできるため、情報が集約され、黒板やノートとしての役割も果たします。体調不良などで授業に参加できなかった生徒には、この資料を追って共有し、キャッチアップしてもらうことも可能です。

 

3.オンラインで、双方向型の授業を実施する

ビデオ会議ツール(ハングアウトMeet)を活用すれば、先生による授業をリアルタイムで配信でき、生徒は家にいながらも学校での授業と同様のものを受講することが可能です。

動画視聴の授業と言うと、先生側からの発言のみで、限定的に感じるかもしれません。しかし様々な機能を使って、授業の質を高めることができます。
例えば、画面共有。先生が用意したスライドを画面共有することで、生徒側の画面にも同じ資料が投影され、ひとつの教材を見ながら、授業を受けることができます。画面共有をするために難しい設定をする必要はなく、ボタンひとつでできるため非常に簡単です。

 

(画面共有しながらオンライン授業を進める様子。これを使えば生徒側の端末にも同じスライドが写る。右側では、生徒からコメントを記入し意見を発信することも可能)

 

他には、授業の途中に適宜先生から質問を投げかけ、生徒に発言してもらうことも可能です。より多くの生徒の意見を聞きたい場合は、チャット機能を活用し生徒全員にコメントを記入してもらうか、またはチャット欄で先生からフォームを送信し、アンケートを取り即時で集計を行うこともできます。

授業の最後に、理解度の確認として小テストを実施してもよいでしょう。理解度を測ることができれば、次回の授業の設計にも役立ちます。
(フォームによるアンケートや小テストに関しては、4に詳細を記載しています)

オンラインでの授業は録画も可能なため、ネット環境の問題などで参加できない生徒に関しては録画を追って送付したり、理解が進んでいない生徒に再度視聴を促すなどの、さまざまな対応ができます。

また、このビデオ会議ツールを使えば、生徒同士で話し合いを行うこともできます。先生から出された課題を、グループで議論し、ひとつの意見にまとめ、発表に向けた準備をするといった学習が可能になります。(グループ学習に関しては、5に詳細を記載しています)

 

4.理解度を確認するために、適宜小テストを実施

休校期間中、いつもと違う学習スタイルを実施する中で気になるのが、生徒側の理解度。そんな時は、設問機能を備えたフォームを活用し、小テストを実施するのがおすすめです。

 

(オンラインで行う小テストの画面)

 

選択や自由記入での入力画面を簡単に作ることができ、また印刷の必要もないので、準備に多くの時間をかけることなく小テストを実施できます。URLを生徒に送付し、回答してもらうだけ。選択式の問題であれば、事前に正解を設定しておくことで、自動採点まで行なってくれます。

授業の終了時に小テストを実施するほか、次の授業で取り扱うテーマを決めるために事前アンケートを取る、など様々な活用方法が考えられます。これらを活用することで、先生は生徒の興味関心や理解度を正しく把握した上で、オンライン学習をリードすることができます。

 

(オンラインで、地球環境に関するアンケートを集計した画面)

 

5.生徒同士が離れていても、グループ学習を可能に

近年課題解決型学習などに注目が集まっていますが、その上で重視したいのがグループでの学習です。生徒同士が離れたところにいても、オンラインを活用すればグループ学習が可能です。

例えば、まず先生から課題を提示し、生徒はビデオ会議ツールやチャットでグループ議論を実施し、最後にひとつのスライドへ意見をまとめます。文章だけでなく図や写真などを使って自由に資料を作成できるツール(スライド)は、生徒の考えをより詳細な形で可視化、表現できるだけでなく、複数人で同時編集が可能なため、この学習スタイルに適しています。

 

(現代社会の授業で課題のスライドを制作している画面。画面右上には、生徒同士でコメントをやり取りする様子も)

 

オンラインによるグループ学習で、離れたところにいながらも、他の生徒と意見を交換し、協働しながら学びを進められます。他の生徒のアイデアと自分のそれを照らし合わせ、考えを深めるなどのプロセスを通じ、学習の質がより高まることが期待できます。

 

6.ネット環境が整っていない場合は、オフラインでも使用できる機能を活用

学校から端末を配布・貸与していない場合、生徒によって自宅で用意できる端末が異なるといったケースが考えられますが、 Google for Educationは、ネット環境さえあればどんな端末からでもログインし、利用することができます。

生徒によっては「自宅にネット環境がない」という場合もあるでしょう。その場合は、前述のドキュメントやスライドを活用しましょう。いずれもオフラインで作成が可能なため、自宅にネット環境がない生徒でも課題を進めることができます。

もし学校側から端末の配布や貸与が可能な場合は、Chromebook の使用がおすすめです。Chromebook の特徴は、「シンプルで直ちに利用を始められる」という点。 Chromebook はウェブブラウザ上でのアプリ利用に特化しているため、使える機能は限定されますが、一方で複雑な設定などが必要ありません。

 

 

突然の休校決定で、急ぎ対応しなければならない学校が多いと思いますので、直ちに利用を開始できるというのは大きなメリットになります。また、機能のシンプルさ故に本体価格もリーズナブルであり、限られた予算内でも導入できるのが利点です。Chromebookについてより詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

参考)こちらは期間限定ではありますが、Google が休校期間中の学校を支援するために、Chromebookの無料貸出などの取り組みも行っております。こちらからご確認ください。

 

新型コロナウイルスの対策で、全国の教育機関に様々な影響が出ています。弊社はICT教育をリードする存在として、社会を支えるため、あらゆる手段で教育環境の支援をいたします。是非弊社サイトMASTER EDUCATIONから情報をご確認ください。

 

< MASTER EDUCATION >
https://master-education.jp/

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