【GIGAスクール構想】町田市全62校へICT総合支援員派遣レポート(2020年4月〜9月)

株式会社ストリートスマート(以下、弊社)では、2020年1月から3月の3か月間、東京都町田市のICT教育推進モデル校3校へ、先生が “聞きたいときに・その場で聞いて・すぐに解決できる” 学校常駐型のICT総合支援員の派遣を致しました。そして、2020年4月より対象を町田市全62校へ拡大し、期間も1年間として新たに支援を開始。

本記事は、町田市全62校への半年間(2020年4~9月)の支援レポートです。

 

ICT総合支援員による支援内容に留まらず、教育現場のリアルな現状や、子供たちのICTに対する適応力などもご理解いただける内容としていますので、GIGAスクール構想の実現を進めている全国の自治体や学校の皆さまにご一読いただけましたら幸いです。

 

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ICT教育推進モデル校のICT活用時間の増加率は1.6倍超え、確かな支援効果を実感

町田市のICT教育推進モデル校である、町田第五小学校・小山ヶ丘小学校・堺中学校の3校へ3か月間の支援後にアンケートを実施。授業での活用がよりスムーズになったと実感された先生は8割。また、校務での業務効率化を体感された先生は約7割と半数以上の先生が効果を実感。

 

<推進校3校での効果と現状(昨年対比)>

  • 授業での活用時間の向上
    7割超の先生が活用時間向上を実感
  • 活用される先生の増加
    活用時間の増加率は1.6倍超
  • 授業での活用がよりスムーズになった
    8割の先生がスムーズな活用状況を実感
  • 校務に関して業務効率化が行われている
    業務の効率化を体感される先生が約7割

 

(ICT推進モデル校である小山ヶ丘小学校)

 

また、3か月の支援期間は安倍前首相による「休校要請」で、2020年3月2日から全国で一斉休校が始まったタイミングでもありました。
支援真っ只中での休校に、3校の校長先生からは「本当にあのときに支援をしてもらっていてよかったと思っている」「より多くの学校へ支援を広げてほしい」と嬉しいお言葉を頂く結果となりました。

 

新型コロナウイルスによる休校時は、全校の状況ヒアリングとマニュアル納品による遠隔支援を実施

2020年4月より町田市62校へ本格的に支援を開始。
しかし、4月7日に国から発令された「緊急事態宣言」により、一斉休校は継続という非常事態となりました。

前代未聞の状況に各方面にご対応されている学校様の状況を見ながら、まずは架電によるICT支援実施の周知と現状のヒアリング。
また、休校期間で高まった家庭学習・オンライン授業の需要に応え、各種マニュアルを作成しご提供しました。

 

ご提供資料一覧

  • 児童生徒用の自宅の各端末による町田アカウントでのログインマニュアル
  • 児童生徒用の Classroom を利用する為のマニュアル
  • 先生方用の Youtube での授業動画などの限定公開手順マニュアル
  • Google Meet の使用手順マニュアル

 

また、弊社が共著で発行した Google for Education のガイドブックである「できる Google for Education クラウド学習ツール実践ガイド」を全校へ納品。
Google for Education の各ツールの操作方法や管理者設定が、実際の画面の画像とともに手順を追ってわかりやすく解説されている書籍です。

(累計7,500万部超えの大人気シリーズから発行)

 

その他にも、G Suite for Education に関する動画とPDFマニュアルによる、学習支援サイト「Master Learning」を支援開始と共にご提供。

  • ピンポイントで機能を解説、160本以上の短編動画
  • じっくり読んでいただける、PDF形式のマニュアル
  • 学校での活用事例や最新トピックス

 

など、お忙しい先生方の隙間時間に活用していただけるサイトです。休校期間中は、こうしたマニュアル・書籍・サイトなどでの遠隔支援を実施しました。

 

(1分半ほどの短編動画とPDFマニュアルで忙しい先生方の隙間学習に)

 

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できる Google for Education クラウド学習ツール実践ガイド
忙しい先生方に最適な学習支援サイト「Master Learning」

 

ヘルプデスクを設置することで “わからない”を“すぐ解決” し、推進の流れを止めない

ICTを活用する初期の段階で大切なのは、流れを止めないことだと考えています。
今までの慣れている方法を継続してしまうのは当然で、お忙しい先生方にとって新たなことを試みる負担は想像以上に多大です。
そんな中で、不明点がすぐに解決できない状況が続くと、活用自体を諦めたり、勢いが減速してしまいます。

そこで「Master Learning」と並行して、24時間受付可能で簡単に質問や相談ができるヘルプデスクを Google フォーム形式で設置
相談内容の7割が Chromebook と G Suite for Education の使い方に関する質問であり、非常時でも活用しようと試みる先生方の様子が伺えました。

 

▼質問内容に関するアンケート

質問内容(一部抜粋)

  • Google Meetで、生徒を一斉にミュートにできる機能はありますか?
  • Classroomについての質問です。生徒が投稿したとき、及び生徒が課題を提出した際に通知がくる設定はどのようにしたらよいのでしょうか。
  • 6月または7月に在宅生徒との繋がり方の研修を全教職員35名程度で実施したいと考えております。可否およびどのような形で申し込めばよいかを知りたいです。

 

学校再開後は実際に訪問し、授業の帯同や研修を実施

学校再開後は1校ずつ訪問を開始。弊社のICT総合支援員は、大前提に「全校に直接訪問すること」を大切にしています。
これは、弊社が単なる“ICTの導入屋”ではなく、ICTはあくまでツールであり、その先にある子供たちの学びの質や先生方の働き方の変化を、二人三脚となって構築していく“パートナー”であると考えているからです。

必ず訪問して学校ごとの現状やご要望などをお伺いし、Google のパートナー会社としてご提供できることやICT支援員としてのスタンスなどをしっかりとお伝えすることで、信頼し、任していただける関係を築くことを大切にしています。

こうして学校再開後は、直接お伺いした各校の異なる推進状況や求める支援内容に合わせた支援を実施。

 

(授業サポートの様子)

 

児童生徒だけでなく、先生を含めてどうしても慣れていないこともあり、授業3コマ分を要していた Chromebook への初回ログインという工程も小学一年生でも確実に授業1コマで完了できる方法を確立しております。

また、初回のログインサポート後は、ローマ字を習っていない小学校低学年生でも大半の生徒が自分でログインを済ませることができています。

 

(初回ログインサポートの様子)

 

子供たちの吸収力は高く、使いながら使いこなしていく

支援を通し感じるのは、子供たちは我々が考えるよりも何倍も吸収力が高く、使いこなしていくスピードも早いということ。数箇月から一年もすればブラインドタッチもできそうな程、慣れている児童生徒も見受けられました。

 

(Chromebook のタッチパネルにより自由にイラストを描いている様子)

 

また、ICTを使った授業を受け「紙ではできないことができて楽しかった」という意見が出るなど、『ICT教育はDigitization (デジタイゼーション) でなくDigitalization (デジタライゼーション)である*』ことを、子供たち自身が体感しています。

 

*『Digitization (デジタイゼーション) とDigitalization (デジタライゼーション)』
本来の「ICT教育」とは、単なるデジタル化 (Digitization) ではなく、テクノロジーにより教育が進化する(Digitalization)ことである。

 

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先生方への研修は「基礎研修」と「実践研修」の2種類を実施

先生方への研修要請が多かったため、ChromebookG Suite for Education の特徴や概要を掴むための「基礎研修」と、各ツールの使い方を学ぶ「実践研修」を実施。

 

(先生方への研修の様子)

 

Chromebook や G Suite for Education は、これまでに学校で使用されてきた環境とは本質的に異なります。
そのため、使い方よりも先に、その違いや特徴をご理解いただくことが、結果として先生方のICT活用を促進することができます。
そこで、ICTの活用を学校全体で必ず成功させるために、7・8月は主に「基礎研修」を実施しました。

研修をしたある学校では「この間の研修でイメージがつきました!」と、ICT担当の先生を中心に校内研修を充実させ、新型コロナウイルスが再流行するかもしれないと言われている時期を見越して、12月までには「遠隔学習でも学びを継続できる状態」を実現させる計画まで立てられていました。

8月からは町田市学校教育部教育センター様と連携して濃密な内容の集合研修も始まり、11月末まで予定を立てています。

 

全62校への訪問は約97%の達成状況(2020年9月末時点)

コロナの影響で訪問開始が遅れましたが、2020年9月末時点で訪問日程が未定の学校は残り2校と、訪問予定校を含めると約97%の学校へ訪問が完了しています。

 

▼2020年9月末時点の訪問状況

 

新たに常駐支援を開始した学校も増え、一歩ずつICTの活用へ

新たに常駐を希望される学校も増え、固定した曜日もしくはご要望いただいた日程で、学校のご希望に合わせた常駐支援を開始。各校それぞれのICT活用が広がっています。

 

(グループで協働編集したスライドを活用した英語の授業 / 中学2年生)

 

鶴川第四小学校

鶴川第四小学校では、7月より Google フォームによる欠席連絡の運用を開始し、保護者からも好評だったため8月以降も継続。

学校に寄せられた保護者の声(一部抜粋)

  • 特にストレス無く簡単な入力だけで送信でき良いと思います。
  • 携帯から連絡ができるのはとても便利で助かります。
  • 電話連絡ですとかける時間に気をつかいましたが、メールですと連絡したい時にできて助かります。

 

小山小学校

小山小学校では、授業での活用支援と並行して働き方改革へ繋がる校務での活用支援を実施していく予定です。

研修予定

  • 9月 / 運動会用の音楽編集ソフト
  • 10月 / 校務で使える内容①②
  • 11月 / Google Jamboard①②
  • 12月 / 動画編集や撮影・Google サイト

 

町田第三中学校

町田第三中学校では、10月にオンライン配信による新しいカタチの体育祭を実行するため、機材の準備から実施する上での懸念点などアドバイザーとしてサポート。
PTA様のご協力の元、画面越しでも競技の臨場感を味わっていただくために、複数のカメラで観戦できるようにするなど工夫を凝らしています。

 

その他、特別支援学級

いくつかの特別支援学級の先生から「学びの深い楽しい授業を生徒に提供したい」とご相談いただきました。
先生自身ICTに苦手意識があるものの、毎週個人レッスンのようなカタチでお伝えしたことを翌日には試し、翌週にフィードバックをしてさらに新しいことをお伝えする、というサイクルで確実なステップアップをされています。

 

(Jamboard を活用してオススメの本を共有した国語の授業)

 

ICT教育推進モデル校の3校は、より高度な活用へ

町田第五小学校

学校全体で G Suite for Education の浸透度が高く、ICTの活用にも前向きかつ先生同士のフォローも日々行われている町田第五小学校。
校長先生と副校長先生に Google フォームのより高度な機能のご説明を実施。今後は校長会での研修及び10月以降でまとまった回数の訪問を予定しています。

 

(町田第五小学校)

 

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小山ヶ丘小学校

2020年3月までの支援時には授業への帯同を強く希望され、授業での先生や児童生徒のフォローをメインに実施した小山ヶ丘小学校。
休校措置が解除され、分散登校時に訪問した際には、Google Meet を活用した授業が行われており、非常時でも子供たちの学びを止めない様子が伺えました。

 

(画面には Meet を通して登校していない生徒たちが表示されています)

 

9月より曜日を固定せず、ご要望いただいた日程・頻度にて常駐支援を行っております。

 

堺中学校

放課後の勉強会においても先生全員が参加し、非常に熱心な先生が多く、ICTの活用が生徒の学びへとつながっていた堺中学校。

休校期間中には、先生方が試行錯誤しながらも100本以上の動画を配信するなど、非常時でも子供たちの学びを止めないようにと、ICTに不慣れな先生方も積極的に活用しています。
そこで、より高度な活用を実現していくため、特に活用されている Google Classroom の活用傾向を分析

  • 使用傾向「アプリ」
  • 使用方法「用途」
  • 使用方法「形式」

この3つの観点で現状を分析して数値化し、活用傾向の強みと弱みを先生間で把握することで、より高度な活用を行うための策を打つことができます。

 

▼使用傾向「アプリ」の分析結果

(ホームルームでは、フォームの使用率が半数以上)

 

 

▼使用方法「用途」の分析結果

(Classroom の協働用途での活用は1つのみ)

 

分析結果から課題を報告し、使用用途として少なかった「協働的」な活用を授業に取り入れていけるよう教材の作成や、研修発表等の支援を進めています。

 

全体の課題は G Suite を授業で活用するまでの、心理的・物理的両面からなるハードルの高さ

支援対象を62校へ拡充させたICT総合支援員を開始してから半年が経過。校務や授業での G Suite 活用も着実に増えてきました。

しかし、「基礎研修」によって Chromebook や G Suite の便利さをご理解いただくも、授業での活用に至らないケースも散見しています。
これに関し“理解する→実際に活用する”にステップアップする支援が必要だと考えています。

 

(先生方への研修の様子)

 

活用にまで至らないのは心理的・物理的の両面からなるハードルの高さが要因です。そこで、可視化して現在地を把握できるよう、活用レベルとそれに対する支援内容を整理し一覧表にして提出。

 

▼課題・支援策一覧表イメージ

 

今年度中に「基礎研修」の実施率を小中学校それぞれ80%まで引き上げることで、全教員がステップ2以上に進めるよう支援予定です。
また、他校の事例共有や授業への帯同なども継続していくことで、心理的ハードルも軽減できるようアプローチしていく予定です。

 

ICT総合支援員とは、最短最速で本質的なICT教育を実現するための存在

GIGAスクール構想の一人一台端末を Chromebook に採択し使用していく際に、全体研修を数回行っただけでは一部の先生方の理解に留まってしまうのが現実です。
学校全体で本質的にICT教育を行っていくには、様々なサポートを実現し伴走するICT総合支援員の存在が必要不可欠だと考えています。

今後もスピード感を持って最短最速かつ、学校や先生方の負担は最小にしながら、ICT教育の実現をサポートしていきます。

 

(授業サポートの様子)

 

ICT教育推進やGIGAスクール構想に関するご相談はストリートスマートへ

 

株式会社ストリートスマートは、2017年にGoogle 認定の Google for Education Professional Development Partner(専門的能力開発パートナー企業:「PDパートナー」)に認定されました。そして、これまでの教育機関への総合的なICT導入支援実績が認められ、2020年に国内で初めて Transformation (変革)分野のエキスパートとして Google より認定されました。

 

自治体や教育現場の皆さまが効率的かつ負担なくGIGAスクール構想やICT教育を推進できるよう、学校常駐型のICT総合支援員各種研修など、ICTの導入から活用推進まで、さまざまなアプローチで皆さまに寄り添った支援を行っております。

お困りごとやお力になれることがございましたら、お気軽に弊社『Education事業部お問い合わせ窓口』へお問い合わせください。

 

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