【GIGAスクール構想】クラウドって安全なの?クラウド基礎&教育現場の課題と改善策4選

新型コロナウイルス感染症対策による緊急事態宣言も解除され、学校も以前のように児童生徒が登校する環境が少しずつ戻ってきていることと思います。しかし、文部科学省は「第二波・第三波の可能性を加味しておくこと」や、「今後どのような状況になろうともICT環境は必須」ということを伝えています。

▼文部科学省の指針について、詳しくはこちらをご覧ください
【必読】今こそ日本全体でGIGAスクール構想を実現するとき!令和2年度補正予算を徹底解説(2020年5月最新版)

 

そこで本記事では、GIGAスクール構想のひとつでもある「クラウド活用」に関する基本から、活用にあたって起こりうる教育現場の課題や改善策まで、クラウドツールである G Suite for Education を元にお伝えします。

 

Google for Education と Google Workspace for Education(旧 G Suite for Education )とは?

まずはよく耳にする「クラウド」とは一体何なのでしょうか?クラウドとは、サーバーやネットワークなどのインフラや、ソフトウェアを持たなくても、インターネットにアクセスさえすれば、各種サービスを必要な時に必要な分だけ利用できる形態を指します。

そして、教育に特化したクラウドベースの学習コラボレーションツールが Google Workspace for Education (旧 G Suite for Education)です。これは、ツールも学習資料も全てオンライン上にあり、インターネットが繋がる端末と、ログインするためのID(メールアドレス)とパスワードさえあれば、あらゆる端末からアクセス、使用できます。

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教育現場の大革命!効率的な学習と円滑なコミュニケーションが実現する G Suite for Education の魅力とは

 

では、Google for Education とは何なのでしょうか?Google for Education とは、Google が提供する学習支援ツールの総称で、主に、Google Classroomをはじめとしたクラウド型の教育支援サービス群 Google Workspace for Education と、文部科学省の推奨端末の一つとして認定され教育現場での利用に最適な Chromebook のことを指します。

 

 

「学びの場」でのクラウド活用のメリットとは?

GIGAスクール構想でも「クラウド活用」と言われていますが、教育現場で Google Workspace for Education を活用するメリットとは何なのでしょうか?それは、大きく3つあります。

1つ目は、学習データの自動保存です。今までは、作成したデータは「名前を付けて保存」や「上書き保存」をしないと保存されず、誤ってデータを保存せずに終了してしまったという経験がある方も多いのではないでしょうか。Google Workspace for Education は容量無制限かつ自動保存の機能がついているため、データの管理に手間がかかりません。従来だと学校のファイルサーバーやパソコン上にファイルを保存していたところを、クラウドを活用することで、例えば災害などで端末が使用できなくなったとしても、クラウド上にあるファイルは守られているため、ログインするだけで今まで通り使用することができます。

2つ目は、ログインするだけで利用を開始できることです。児童生徒が自分のIDを使ってログインすれば、自分の学習資料にすぐにアクセスでき、授業をスムーズに開始することができます。

3つ目は、デバイス(端末)を選ばないことです。Chromebook 以外のパソコンはもちろんのこと、タブレットやスマートフォンからもアクセスが可能です。IDとパスワードさえあれば、非常時でも生徒は家庭にあるデバイスを使用して学習することが可能です。もちろん特別なソフトのインストールやセットアップも不要です。

 

 

つまり「クラウドを活用する」というのは、これまでのファイルサーバー管理の負担や端末への依存から開放され、「学びの場をシンプルかつスマートにできる」ということです。それは、コスト面だけでなく、時間といった側面での改善にも繋がります。

教育業界では、GIGAスクール構想などで「クラウド活用」というワードを頻繁に聞くようになりましたが、政府は以前から民間企業に対して「クラウド・バイ・デフォルト」という発信をしています。これは、データはクラウドの利用を第一にという指針であり、既に大手企業を含むさまざまな企業で活用が進んでいます。文部科学省でも「クラウド・バイ・デフォルト」の原則に則り、学校現場でも導入するよう発信しています。

 

クラウド活用に関する質問 4選

クラウドに関しての基本を理解していただいたところで、ここからは多くの自治体や先生方からいただく疑問や質問に答えていきたいと思います。

 

Q、クラウドでデータは守れるの?

 

クラウド活用に関して、先生方の多くがまず一番最初に心配されるポイントは、「データは守られるのか」というもの。個人情報だけでなくさまざまなデータを扱う教育現場では、データの安全性は気になるポイントかと思います。

安全面に関して、 Google for Education は世界的に見ても業界最高レベルの安全性を誇ります。更に、データは Google 独自のシステムで即時に暗号化され、分散して複数のデータセンターで保管されます。つまり、たとえデータを見られたとしても暗号化されているため内容がわからないようになっているということ、そして、データが分散されているため、万が一抜き取られたとしてもデータの全体はわからないようになっています。24時間365日、専用のエンジニアが不正アクセスや自然災害を監視しているのでご安心ください。また、文部科学省が制定している情報セキュリティポリシーに関するガイドラインにも準拠しています。

 

Q、情報が流失しない?

 

ニュースでもたまに聞く「情報流出」も多くの方が心配されています。これに関して Google は、ISO 27001など第三者機関が定める国際規格を取得しています。

Google は、定期的にいくつかの独立した第三者機関による監査を受け、データセンター、インフラ、オペレーションについての調査を行っています。そして、第三者機関の監査により厳格な基準を満たしていることが確認されています。

 

Q、Google が情報を見たり活用したりしない?

 

これもよく聞かれる質問で、情報の管理元である Google が情報を見たり活用したりしないかというもの。こちらに関しては、Google はデータの所有権を持っていないため、データやシステムに保存された個人情報を第三者と共有することは原則ありません。

 

(画像下にある4つの場合のみ例外としてデータを共有することがあります)

 

Q、広告が表示されてしまう?

 

広告を表示されてしまうのが嫌ですというお声も多くいただきます。これに関しては Google Workspace for Education のIDでログインしている場合は広告が表示されることはありません。また、広告を表示する目的で個人情報が使用されることもありませんのでご安心ください。

 

 

以上4つが、よく聞かれる疑問・質問でした。
クラウドと聞くと、データの安全性がわからず、なんとなく危なそうというイメージが先行して、活用に前向きになれない自治体や先生方が多く見受けられるのが現状です。しかし、Google は世界レベルでの安全性と厳しい監査をクリアしており、各自治体単体でデータを管理するよりも、安全性は格段に高いと言えます。

 

Chromebook と組み合わせると利用制限の幅が広がりより安心に

先生や生徒が利用する端末を Chromebook にすることで、さまざまな利用制限を設定することができます。

 

 

これは、端末ごとに設定するのではなく、先生や生徒などログインするユーザー別に設定するため、同じ Chromebook 端末を先生がログインするか生徒がログインするかで、自動的に設定が切り替わります。
例えば、生徒がログインした場合は YouTube などのWebサイトを閲覧できないように制御したり、画面のスクリーンショットをできないようにするなど、さまざまな設定を遠隔で簡単に一括管理できます。

 

 

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先生に聞いた教育現場の現状課題と改善策 4選

ここからは、実際に先生からお伺いする教育現場における現状の課題と、その改善策をお伝えしていきます。

 

①学びの課題

 

オンライン授業は対面授業と比較して学びに限界があるのではというお声を頂きます。またそれにより、オンライン授業を積極的に取り入れないという現状もあるようです。

Google Workspace for Education を使えば、クラウド上で生徒や先生と複数人で同時編集できるため、遠隔での共同作業が可能であり、この機能をうまく活用すれば、ディスカッションやディベートでさえも実施できます。

 

 

実際に、下記の画像の左側はコメント機能を用いてディスカッションしている様子です。どの部分に誰がコメントしたのか分かり、コメントも時系列で表示されるため、ディスカッションの経緯も一目瞭然です。
また、右側はディベートする議題に関して Google フォームで生徒から回答してもらい、Google スプレッドシートに一覧として書き出し、賛成と反対の意見を元に同時編集でディベートする様子です。オンラインでディスカッションやディベートをする利点は、他者の意見やこれまでの経緯がすべて記録されるため、自分自身の考えを深められるということ。また、どうしても対面だと発言力のある生徒ばかりに偏りがちですが、オンラインだと全員が平等に発信できるため、意見を伝えやすい環境が作れます。

 

 

その他にも、協働作業に適したデジタルホワイトボードツールである Google Jamboard を使うことで、同時に付箋で意見をだして、出てきたものをカテゴリー分けしていくなど、アイデアだしやディスカッションが可能となります。

 

 

②校務の課題

 

マッキンゼー・アンド・カンパニーの調査によると、従業員の労働時間の内、20%もの時間が必要な情報を探し出すことに費やされているという結果がでています。これは、紙の資料が多い学校現場においても同様、必要な資料を「探す」時間が校務の時間を圧迫しているのではないでしょうか。

検索サーチを得意とする Google が提供する Google Workspace for Education は、この「探す時間」の削減をサポートしています。今までは、細かくフォルダを分けて資料を整理していたかと思います。しかし、Google Workspace for Education のクラウドストレージ、Google ドライブへ保存すれば、検索で簡単に目的の資料を見つけ出すことができます。

 

 

また、他のパソコンやUSBなどで管理していたファイルも Google ドライブに保存すれば簡単にアクセスできるようになります。さらに、Google ドライブに保存すれば、他の先生や生徒へファイルの共有も簡単にできるだけでなく、ログインさえすれば場所とデバイスを問わずアクセスできるため、「職員室に行かないと資料が見れない!」といったことも解消できます。

 

 

③コミュニケーションの課題

 

校務時間を圧迫する原因の一つとして、情報伝達のための会議が多いという声もよく聞きます。今まではデジタルツールが無かったため、情報の共有は口頭ですることが多く必然と会議も多かったかもしれません。しかし、Google Workspace for Education にある Google ドキュメントや Google Chat などで、連絡や決定事項などをスピーディかつ確実に共有し、対面ですべき内容を精査することができます。

 

(オンラインと対面を使い分けることで対面ですべきコミュニケーションの時間を創出)

 

例えば朝会では、Google ドキュメントに連絡や伝達事項を記入した上で、事前に全員へ共有します。Google ドキュメントには画像なども簡単に挿入できるため、より具体的な情報を伝えることができます。共有された内容に質問があればコメントすることで解消でき、それらはすべて記録として残るため、欠席された先生にも伝達が漏れることはありません。伝達事項などを紙ベースで回覧すると、回覧中に情報の劣化が生じてしまいますが、Google ドキュメントだと同時に複数人がアクセスできるため、伝達の精度もあがります。

 

 

情報伝達以上の、先生全員でのディスカッションや意思決定が必要なことは対面にするなど使い分けができることで、先生方の大事な時間を有効活用できます。

 

④共有文化の課題

 

そもそも教材などを共有する文化がないというお声も頂きます。ここであらためて整理しておきたいのは、Google Workspace for Education は単なるクラウドツールではなく、その根底に「スマート」と「コラボレーション」という2つのコンセプトがあるということ。これにより「生産性の向上」と「イノベーションの創出」ができるのが、他のツールにはない Google Workspace for Education ならではの利点です。

 


(スマートとコラボレーションは Google ならでは)

 

 

今までは、教材などを共有する手立てがなかったからこそ共有する文化が生まれなかっただけであり、Google Workspace for Education を活用することで、必然と共有や協働していく流れとなっていく傾向にあります。他にも、Google Classroom の副担任に招待し合うことで、先生同士でお互いの授業や教材を簡単に共有し合うこともできます。

 

(Classroom は生徒以外に先生も招待できます)

 

▼Classroom に関してこちらもぜひご覧ください

 

 

いかがでしたでしょうか。以上が、GIGAスクール構想のひとつでもある「クラウド活用」に関する基本から、活用にあたって起こりうる教育現場の課題や改善策までお伝えしました。次回の記事では「第二波・第三波に備える」第二弾として、今だからこそ備えておくべき Google Classroom と Google Meet を使った「オンライン授業の基礎」です。Classroom と Meet を組み合わせ、オンライン授業実施へのステップなどをお伝えします。

 

▼第二弾はこちらから
【第二波・第三波に備える vol.2】Classroom と Meet で叶えるオンライン授業基礎

 

ICT教育推進やGIGAスクール構想に関するご相談はストリートスマートへ

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株式会社ストリートスマートは、2017年に Google 認定の Google for Education Professional Development Partner(専門的能力開発パートナー企業:「PDパートナー」)に認定されました。そして、これまでの教育機関への総合的なICT導入支援実績が認められ、2020年に Transformation (変革)分野の Specialization 取得パートナーとして Google より認定されました。

自治体や教育現場の皆さまが効率的かつ負担なくGIGAスクール構想やICT教育を推進できるよう、学校常駐型のICT支援員各種研修など、ICTの導入から活用推進まで、さまざまなアプローチで皆さまに寄り添った支援を行っております。

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