【GIGAスクール構想】1人1台 Chromebook™ 導入後の利活用状況や変化とは|神奈川県立高等学校様 Google for Education™ 運用実証研究レポート

株式会社ストリートスマートは、2021年10月から11月末の2か月間、神奈川県立高等学校2校(川崎北高等学校様・光陵高等学校様)と『BYAD*による1人1台環境に向けた Google for Education 運用実証研究』を行いました。

本記事では、実証研究後レポートとして、1人1台端末導入後の変化や利活用状況、運用する上での必要な体制などをご紹介します。全国でGIGAスクール構想を進める高等学校様のご参考となりましたら幸いです。

*BYAD)自治体や学校が推奨する指定端末を個人購入すること(Bring Your Assigned Device)

 

〈実証研究関連記事〉
・神奈川県立川崎北高等学校様・光陵高等学校様と「Google for Education BYADによる1人1台環境に向けた運用実証研究」を行います
・高校授業での Google for Education 活用事例14選
・高校での1人1台端末環境整備のポイントとは?(BYOD / BYAD / CYOD形式)

 

モデル校2校へ1学年分の端末を導入し実証研究を実施

実証研究の概要は以下の通りです。
モデル校にそれぞれ1学年分の Chromebook を導入し、実証研究を実施しました。

 

 

実証研究の活動〜端末導入フェーズ〜

実証研究の具体的な活動としてプロビジョニング(端末の初期設定)から実施しました。弊社による事前説明会を行い、担当の先生用の Chromebook の初期設定ガイドなどを配布。当日は先生の説明のもと、生徒全員が自ら操作して初期設定を完了させ、端末使用を開始しました。

 

 

実証研究の活動〜活用フェーズ〜

週に1度、モデル校2校とストリートスマートで定例会を開催し、情報交換や課題把握、対策の検討を実施。問い合わせフォームを活用したオンライン相談も実施し、活用がスムーズに進むよう支援いたしました。

 

 

Google for Education 授業活用事例(一部)

Google for Education の授業活用事例の一部をご紹介します。
モデル校2校とも Google for Education の特性を活かした授業を実践していました。

 

▼こちらの記事では10教科の活用事例を詳しくまとめています
高校授業での Google for Education 活用事例14選

 

 

Chromebook 利活用状況|9割弱が週3以上活用

1人1台 Chromebook を導入後、「Chromebook を授業でどのくらい使うか」の生徒アンケートに対し、「ほぼ毎日(43.4%)」「週3日(43%)」と、86.4%が Chromebook を高頻度で活用していることが分かりました。

 

全員が同じキーボード付きの端末を使う環境を非常に好意的に受け止めている生徒が多く、Chromebook の持ち運び用ケースを自分で購入したり、デスクトップの背景をカスタマイズしたりと愛着を持って使用していました。また、自分なりの使い方を試行錯誤しながら主体的に活用する姿が多く見られました。

 

 

モデル校では、実証研究前からスマートフォンを学習機器として利用してきましたが、「授業や家庭学習で使用するのに適している端末は何か?」というアンケートに対して、約60%の生徒が Chromebook 等のPCが学習に適していると回答する結果となりました。
(「Chromebook 等のPC(約55%)」「PC+スマートフォンの併用(約5%)」)

 

その理由としては、以下のような回答が挙げられました。

  • 画面が大きくて見やすい
  • 全員で同じ Chromebook を使ったことにより誰でも公平
  • スマートフォンと比較して Chromebook の方が誘惑が少なく授業にメリハリが持てる
  • 将来に繋がるPCスキルを身につけられる など

 

端末の持ち帰り状況|使用可能な端末有無により持ち帰りに差

Chromebook の持ち帰り頻度は、「毎日(30.7%)」「週1(53.9%)」と、家庭での使用可能な端末の有無によって持ち帰りに差が生じる結果となりました。

 

 

学校に置いて帰る生徒は「重いこと」を理由として挙げており、机やロッカーの中に置いて帰る生徒が多く見受けられました。持ち帰らない場合の紛失や破損などを回避するために、学校の状況や生徒の家庭環境に応じたルールづくりとMDM*の有効性についての検証が必要だと考えます。

 

家庭学習における Chromebook の活用方法は、

  • 調べもの
  • Google スライドや Google フォームなどの課題への取り組み
  • スマートフォンでは操作しにくい作業
  • 映像教材の試聴
  • Google Classroom 上で出た宿題

などの回答結果となりました。

*MDM)Mobile Device Managementの略。端末のシステム設定などを統合的かつ効率的に管理する方法

 

Chromebook 導入後の変化|1人1台あることでICT教育を加速できる

今回1人1台導入したことでの変化を先生方へお伺いしたところ、一番多かったのは「活用頻度の増加」で、その他にも「ペーパーレス化」や「デジタル教材を取り入れた授業計画が立てやすい」など、1人1台あることでICT教育を加速できるといった内容を多くいただきました。

 

 

「小・中学校」と「高等学校」のICT活用の違いとは?

これまで全国の小中学校でも支援してきた弊社から見た、ICTの活用における「小・中学校」と「高等学校」の違いを以下にまとめます。

 

❶活用のスピードと幅
小中学校は、児童生徒が端末に慣れるところ(操作説明・タイピング練習など)から始まるが、高等学校ではすぐに使用開始できる。生徒自ら積極的に試したり調べたりして、先生の想定以上にすぐに使いこなせるようになる。(モデル校では支援学級の生徒へはタイピング授業を実施)
そのため、授業での活用の幅が広がりやすく、高度な活用も可能となる。

 

❷端末の収納・充電
端末が貸与される小中学校では、学校内に端末を収納・充電できる電源キャビネットを備えていることが多いが、個人購入する高等学校の場合、自宅への持ち帰りや充電が徹底できないと授業中に充電不足となり学習活動に支障が生じることがある。(家庭に使用可能な端末がある場合、毎日持ち帰らない傾向が高い)
前述したように、学校の状況や生徒の家庭環境に応じたルールづくりとMDM導入などの対策が必要

 

❸「高大接続改革」を意識した活用
今回の実証研究モデル校では、ポートフォリオの作成や共同編集を活用したワークなど、高大接続改革を意識した活用や検討がされていた。今後高等学校では、高大接続改革を意識した活用が必須となるのではないかと考える。

 

端末利活用フェーズでは、自律自走できる体制構築が重要

端末導入後は、自律自走でき、活用が促進されるような体制を構築することが重要です。特に、導入初期の支援は非常に重要となるため、校内外からの支援を積極的に取り入れることもおすすめです。

 

▼1人1台環境を整備する際の注意すべきポイントはこちらにまとめています!
高校での1人1台端末環境整備のポイントとは?(BYOD / BYAD / CYOD形式)

 

神奈川県立川崎北高等学校 柴田功校長より

「令和3年10月から、本校の1年生を対象に一人一台端末の実証研究がスタートしました。これまでは、学校に配備された Chromebook をグループに1台貸し出したり、生徒自身が所有するスマートフォンを活用するなどの取組は行ってきましたが、一人一台端末を持つことで、学習活動が大きく変わることを実感しました。まずは、授業の最初の5分、最後の5分で活用してみようと呼びかけましたが、Google スプレッドシートにクラス全員の考えや意見が一覧で表示されたときは、生徒は他者の書き込みを興味深く読んでいました。また、授業の最後の場面ではスプレッドシートに授業の振り返りを入力したり、デジタルポートフォリオを作成するなど、学習過程を大切にする学びに変わってきました。今後は、さらに文房具の一つとして端末をフル稼働して、生涯を通じて学び続け、自らの名刺代わりになるポートフォリオを作り続けてほしいと願っています。」

 

神奈川県立光陵高等学校 小島淳子校長より

「昨年秋、本校1年生を対象に、実証研究に参加させていただくことになりました。すべての生徒が自分専用の端末を持っている環境は、これまで学校にある端末を授業時間に借りてきて使用するのとは明らかに異なります。この環境において、学びの場を提供する教員の選択肢は格段に増えました。授業を受ける前段階で生徒のレディネスを整え、授業の中で教材を様々な方法で提示し、さらに授業後に学びを深めるなど、立体的な学びを創出する可能性が広がったと思います。一方、生徒たちは自分の端末を休み時間や放課後、さらに家庭でも自由に使用することができますから、それぞれ使い方を工夫し、自分に合った創造的な学び方と意欲が引き出されたと感じています。本校は「心やさしき社会のリーダー」の育成を目指しており、そのために不可欠なツールになりつつあると感じています。この機会をいただけたことに感謝をしています。ありがとうございました。」

 

※Chromebook 及び Google for Education は、Google LLC の商標です。

 

 

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ICT教育推進やGIGAスクール構想に関するご相談はストリートスマートへ

株式会社ストリートスマートは、2017年に Google 認定の Google for Education Professional Development Partner(専門的能力開発パートナー企業:「PDパートナー」)に認定されました。そして、これまでの教育機関への総合的なICT導入支援実績が認められ、2020年に国内で初めて Transformation (変革)分野のSpecialization取得パートナーとして Google より認定されました。

自治体や教育現場の皆さまが効率的かつ負担なくGIGAスクール構想やICT教育を推進できるよう、学校常駐型のICT支援員各種研修など、ICTの導入から活用推進まで、さまざまなアプローチで皆さまに寄り添った支援を行っております。

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