【GIGAスクール構想】高校での1人1台端末環境整備のポイントとは?(BYOD / BYAD / CYOD形式)

2022年4月、「GIGAスクール構想」の1人1台端末環境で学習してきた中学3年生が高等学校へと進学します。そのため全国の高等学校では、1人1台端末環境の整備や利活用に関する計画を策定されている時期かと存じます。

株式会社ストリートスマートは、2021年10月から11月末までの2か月間、神奈川県立高等学校2校(川崎北高等学校様・光陵高等学校様)と『BYADによる1人1台環境に向けた Google for Education™ 運用実証研究』を行いました。
本記事では、実証研究を通して見えてきた「1人1台端末環境を整備する際のポイント」をご紹介します。

 

▼Google for Education の授業活用事例はこちら

 

1人1台端末環境の整備を進める際のポイント4つ

 

高等学校での端末導入は、自治体単位で行う小中学校とは違い、自治体及び学校単位のどちらで実施するかはその自治体に任されています。そのため、導入形式もBYOD・BYAD・CYOD*のどれを採用するかも自治体や学校によってさまざまです。

今回は主にBYAD及びCYOD形式の際に必要となるポイントをまとめています。

*BYOD)自分が持っている端末を自由に持ち込むこと(Bring Your Own Device)
*BYAD)自治体や学校が推奨する指定端末を個人購入すること(Bring Your Assigned Device)
*CYOD)自治体や学校が推奨する複数の端末候補の中から購入すること(Choose Your Own Device)

 

①学校で推奨する端末のOSを統一する

 

最も重要なポイントは、学校で推奨する端末のOSを統一することです。
BYOD形式の問題点として上げられているのが、生徒によって端末OSが異なるため、端末トラブル時の対応が複雑だということ。その点、推奨端末を指定できるBYADやCYOD形式の場合は、OSを統一することで先生方のトラブル対応の負担を軽減できます。

加えて、OS搭載端末の特有な操作を複数習得する必要も無くなるため、先生方の活用に対する心理的ハードルを下げることができます。授業もシンプルな操作説明や指示で進めることができ、生徒同士での教え合いも生まれやすくなります。

BYOD形式でさまざまなOS端末が混在する場合は、学習や管理で利用するサービスの統一がおすすめです。Google Workspace for Education はクラウドベースのため、BYOD環境を運用・管理するのに有用です。

 

*OS比較の参考*

奈良県域GIGAスクール構想推進協議会事務局では、奈良県域での共同調達を実施するにあたり、文部科学省が示した3OSの標準仕様を満たすことを前提に、48項目においてOSの比較を実施。以下の内容を優先する場合は、Chrome OS™ を推奨としました*。

 

  • 運用管理の負担軽減
  • 児童生徒が活用するためのセキュリティ・フィルタリングに対する配慮
  • 将来的に家庭負担による端末購入を視野に入れた後年度負担の軽減

 

*出典)令和2年6月15日 奈良県域GIGAスクール構想推進協議会事務局
「共同調達における情報通信端末のOS選定理由について(通知)」より

 

②生徒間の格差がでないように配慮する

自治体によっては、推奨する端末価格を高等学校向けに発信しています。その場合、その価格に基づいて最もコストパフォーマンスの良い推奨端末を指定したり、端末価格の上限を示したりすることで生徒間の格差を防ぎ、公平な学習環境を整備できます。

また、例えば低所得者向けの貸出端末が Chromebook であれば、Chromebook を推奨端末とするといった配慮も大切なポイントです。

 

③MDMや端末延長保証で運用管理をシンプルかつ安全に

 

学習に必要なアプリのインストールやアップデートの管理をできるだけシンプルにするため、端末購入時にMDM*を導入するのがおすすめです。文部科学省が2021年5月に発表した「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン*」でも、MDMの採用は前提とされています。

 

MDMを導入することで、

  • アプリの一括インストールや端末のアップデートの管理が可能
  • 新たにウィルスソフトを購入してのインストール作業やアップデート作業も不要

など、シンプルな運用・管理が可能となり、先生方の負担も軽減できます。
また、端末延長保証に加入することで万が一の故障、破損、紛失、盗難等へ対応できます。

 

*MDM)モバイル端末を管理するシステム。端末購入時にMDMを導入することで、遠隔から管理や制御が可能になる
*出典)文部科学省「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン(令和3年5月版)ハンドブック」より

 

*MDMの参考*

CEU(Chrome Education Upgrade)※Chromebook のMDM
CEU の導入で、リスクに備えた運用管理が可能になります。

<CEUによる運用管理の一例>

  1. 24時間365日無償のサポート窓口を使った端末のトラブルシュートが受けられる
  2. 端末紛失や盗難時に遠隔から端末データを消去できる
  3. サイトを閲覧する際に、不正なソフトウェアやフィッシングコンテンツを含む可能性のあるウェブサイトからユーザーを保護できる
  4. ブラウザの検索結果から不適切なコンテンツを除外できる

 

④事前に緊急時の対応を想定して準備する

事前に対応策や方針をまとめておくことで、スムーズな運用・管理に繋がります。
実証研究から見えてきた想定される事例が以下です。

 

事例①:授業中に不要なアプリ利用があった場合

  • MDMの導入によって、端末で使用できるアプリを制御し、授業への集中力を高めることができる。どういったアプリの制御が必要かは十分な検討が必要*

事例②:初期不良や故障、破損が生じた場合

  • 学校にある貸出端末で対応。貸与端末の保管場所や貸出管理方法を検討し、先生方に周知しておく
  • 端末購入時に端末延長保証に加入しておけば、すぐに修理依頼ができる

事例③:端末の盗難・紛失が生じた場合

  • 端末購入時に端末延長保証へ加入しておけば、交換依頼ができる
  • MDMの導入によって、遠隔でアカウントや端末内の情報をリセットしたり、端末へのログインの制御を行ったりして、生徒の個人情報を守ることができる

*参考)文部科学省「(通知)GIGAスクール構想の下で整備された1人1台端末の積極的な利活用等について(令和3年3月12日)」より

 

 

小中学校でのICT環境を高校で途絶えさせないために

文部科学省が公表した「端末利活用状況等の実態調査 (令和3年7月末時点) *」によると、全国の自治体の96.1%(1742自治体)がGIGAスクールによる1人1台端末の整備が完了しました。また、全国の公立小学校等の96.1%、中学校等の96.5%が、「全学年」または「一部の学年」で端末の利活用を開始しています。

そんな中、2022年4月には、いよいよ1人1台端末環境で学習してきた中学生徒が高等学校へ入学します。本記事が、端末導入時のご参考となりましたら幸いです。

 

*出典)文部科学省「GIGAスクール構想に関する各種調査の結果」より

※Google for Education、Chrome OS、Chromebook 及び Google ドキュメントは、Google LLC の商標です。

 

 

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ICT教育推進やGIGAスクール構想に関するご相談はストリートスマートへ

株式会社ストリートスマートは、2017年に Google 認定の Google for Education Professional Development Partner(専門的能力開発パートナー企業:「PDパートナー」)に認定されました。そして、これまでの教育機関への総合的なICT導入支援実績が認められ、2020年に国内で初めて Transformation (変革)分野のSpecialization取得パートナーとして Google より認定されました。

自治体や教育現場の皆さまが効率的かつ負担なくGIGAスクール構想やICT教育を推進できるよう、学校常駐型のICT支援員各種研修など、ICTの導入から活用推進まで、さまざまなアプローチで皆さまに寄り添った支援を行っております。

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