【ICT支援員/派遣事例】町田市全62校1年間支援レポート(後編)〜アンケート結果〜
株式会社ストリートスマート(以下、弊社)では、東京都町田市へICT支援員の派遣を行っています。2020年1月、先行して町田市ICT教育推進モデル校3校の支援から始まり、2020年4月より対象を町田市の公立小中学校全62校、期間も1年間と拡充した支援を開始いたしました。
本記事は、町田市全62校への1年間(2020年4月~2021年3月)のレポート後編として、1年間の支援後の先生方のリアルなお声をお届けいたします。
▼前編はこちらよりご覧いただけます
東京都町田市全62校1年間支援レポート(前編)〜支援内容・ICT活用事例〜
東京都町田市について
東京都町田市教育委員会では、町田市基本計画「まちだ未来づくりプラン」に基づき、2017年度からICT環境整備に着手。ICTが教育へもたらす効果を検証するため、小学校2校と中学校1校を「ICT教育推進モデル校」として設定し、効果的な活用方法や教育への効果を検証するなど、「教育で選ばれるまちだ」を目指し積極的にICT教育を推進しています。
ICT支援員とは?各校の状況に合わせたICT利活用促進を支援
2020年度から全国の小学校で新学習指導要領が実施され、21年度は中学校、22年度には高校へと続いていく中、「GIGAスクール構想」の前倒しにより1人1台端末及びICT環境の整備と活用が急務となっています。
弊社のICT支援員とは、常駐訪問及びオンラインサポートを通して授業や校務における Google for Education の利活用を促進しています。学校の活用状況の把握からロードマップの設計、研修や授業帯同など、その支援は多岐にわたります。
▲ICTと先生を繋ぐICT支援員
アンケートは375名の先生方にお答えいただきました
新型コロナウイルスによる緊急事態宣言下の休校措置中に始まった同支援。休校措置中は、書籍や動画教材、ヘルプデスクなどの「遠隔支援」からスタート。登校再開後は1校ずつ訪問し、各校のご要望に応じた「常駐訪問支援」を拡げていきました。
その後、ICTの活用度合いのバラつきを埋め町田市全体でボトムアップすべく、活用度合いに応じて重点的に常駐訪問支援を行う「ボトムアップ支援」へと推移いたしました。
アンケートは、支援後半(2020年10月~2021年3月)のICT支援員に関して、375名の先生方にお答えいただいた内容です。
▼支援前半(2020年4月~9月)の半期アンケート報告はこちら
町田市ICT支援員 / 半期アンケート報告
ICT支援員に対する率直な感想は?
まずは、下期半年間の「ICT支援員派遣における満足度」について。
令和2年度は、学校のご要望に応じて支援させていただく方針で進めてまいりました。
結果、常駐及び複数種類の支援をさせていただいた先生方の満足度は高く、1種類及び下期支援未実施校の先生方の満足度は「どちらともいえない」という回答が多く、支援内容により満足度が異なる結果となりました。
▲支援内容によっての満足度が異なる結果に
「昨年度の支援員派遣は、依頼に対して迅速かつ丁寧であり大変良かった。」
「子供たちが安心して生活を送るために手厚いサポートをしてくれています。」
といったありがたいお言葉をいただいた一方で、『どちらともいえない』とお答えいただいた方の多くが
「支援員制度を活用できていないのでわからない」
「特に関わりがなかったのでわからない」というものでした。
▲率直なご感想に対する回答分類
続いて、支援員の「応対や態度」と「ICTスキル」に関してです。
常駐及び複数種類の支援をさせていただいた先生方からは「十分」「良い」のご回答が8~9割を占め、1種類及び下期支援未実施校の先生方と回答が異なる結果となりました。
続いて、ICT支援員に対してご感想の一部をご紹介します。
(アンケート結果一部抜粋)
「学校の実態に応じて研修など引き受けてくれありがたいです」
「電話相談にも、学校支援についても満足している」
「自分以外の人が相談しているのを聞いているだけでも参考になる」
など、先生方の多くからはお喜びの声をいただきましたが、
「制度自体をわかっておりませんでした」
「昨年度はこちら側が支援制度を活かせていませんでした」
といった、ICT支援員の存在自体をご存知でない方や、ご多忙で活用できる機会がなかったというお声もありました。
令和3年度は「ご要望のある学校への支援」から、「ボトムアップ」という方針に推移しておりますので、全ての先生方へ支援をご利用いただけるよう支援内容を拡充する予定です。
▲令和3年度はさまざまな角度から支援を提供する予定です
▲令和3年度の「3つの方針」
Chromebook の活用は、約8割が積極的に活用
「Chromebook の活用レベル」に関しては、約3割の方が『積極的に授業・校務で活用』『周りに教えることができる』と回答し、半数が『活用するよう努力している』という結果となりました。
約2割の先生方が『活用できていない』と回答されており、その理由が「使い方がわからない」「Chromebook が届いていない」との内容でした
Chromebook や Google Workspace for Education を含む「ICT活用に関する疑問・質問」を聞かせていただいたところ、先生自身の活用だけでなく、児童生徒が活用する際の質問も多くいただきました。
(アンケート結果一部抜粋)
ICTを推進する上で先生方が感じている課題とは?
ICTに関する「学校」での課題を聞かせていただいたところ、前回のアンケートではその多くが「台数不足と通信環境の不安定さ」に関する内容でしたが、
今回は
- 教員間のスキルや活用の差
- 運用ルール
- 児童生徒へのモラル育成や指導
のお声が大半を占めていました。
1人1台端末が学校に届き「活用」フェーズとなったことが伺えます。
(アンケート結果一部抜粋)
また「先生自身」の課題に関しては、
- 操作への慣れや学ぶ時間
- 児童生徒への指導
- 対話的で協働的な使い方 / 効果的な活用法
と、「学校」と同様『児童生徒への指導』が課題としてあげられていました。
(アンケート結果一部抜粋)
研修に関するご要望はより具体的な内容に
「研修テーマのご要望」を聞かせていただいたところ、
- 教員自身が教材をつくれるようになる研修
- 働き方改革につながる校務での活用法
- 専門性を高める研修
- レベル別、テーマ別研修
など、より具体的に活用していくための内容がほとんどでした。
令和3年度は、研修の範囲を学校内に限定せず、興味のあるテーマの回を選択して受講できるようにするなど、研修内容や実施方法を拡張していく予定です。
(アンケート結果一部抜粋)
支援から1年。町田市は1人1台端末の「導入」から、町田市全域にてICTが定着し授業や校務で活用が進む「定着・活用」フェーズへと変化しています。アンケート結果でも、先生方のご質問やご要望、そして感じる課題もより具体的かつ多種多様となっています。
ICT支援員として、先生のご要望の先手に回り、令和3年度もより多くの先生方のお力となれるよう尽力していく所存です。
「GIGAスクール構想」「ICT支援員」に関するオススメ記事
▽「ICT支援員」に関する記事一覧
https://master-education.jp/column/column_tag/ict支援員/
▽ICT支援員とは?まとめ記事
・【ICT支援員まとめ:前編】支援内容や成果、学校現場の状況などを解説
・【ICT支援員まとめ:後編】ICT教育の必要性や支援員のあるべき姿を解説
▽東京都町田市|ICT支援員
・町田市ICT教育推進モデル校|3か月間レポート(2020年1〜3月)
・町田市全62校|半年間レポート(2020年4〜9月)
・町田市ICT支援員|半期アンケート報告
・町田市全62校|1年間支援レポート前編〜支援内容・ICT活用事例〜
▽東京都町田市インタビュー
・町田市教育委員会 学校教育部 教育センター所長 林 啓氏インタビュー:1人1台端末環境を目指す町田市の取り組みとは
・町田市立町田第五小学校 校長 五十嵐 俊子氏インタビュー:ICTで実現する対話型授業と生徒の変化
▽長野県上伊那郡中川村|ICT支援員
・長野県中川村|3か月間レポート(2020年11月〜2021年1月)
▽東京都伊豆諸島|ICT支援員
・東京都伊豆諸島6島|3か月間レポート(2021年1〜3月)
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株式会社ストリートスマートは、2017年にGoogle 認定の Google for Education Professional Development Partner(専門的能力開発パートナー企業:「PDパートナー」)に認定されました。そして、これまでの教育機関への総合的なICT導入支援実績が認められ、2020年に国内で初めて Transformation (変革)分野のSpecialization取得パートナーとして Google より認定されました。
自治体や教育現場の皆さまが効率的かつ負担なくGIGAスクール構想やICT教育を推進できるよう、学校常駐型のICT支援員や各種研修など、ICTの導入から活用推進まで、さまざまなアプローチで皆さまに寄り添った支援を行っております。
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